事業内容

経験豊富な読影医

経験豊富な読影医が信頼性の高い読影を実現

当社の遠隔読影サービスは、経験豊富な画像診断医によって支えられています。読影医は読影専門の「あかつきクリニック」に所属し、診療放射線技師とともに、全国の医療機関の読影ニーズに高精度に応えます。

読影体制(あかつきクリニック)

  • 読影医師:46名(常勤12名)
  • 診療放射線技師:25名(常勤3名)
あかつきクリニックについて

読影医ご紹介

森山 紀之

森山 紀之先生(最高顧問)

元 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター長

顧問
村松 幸男

村松 幸男先生

あかつきクリニック院長
元 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 検診部長

院長

小久保 宇

小久保 宇先生

元虎ノ門病院 放射線部 部長
放射線診断専門医

杉本 英治

杉本 英治先生

元自治医科大学 放射線医学講座 教授
放射線診断専門医

整形領域顧問
柿沼 龍太郎

柿沼 龍太郎先生

元 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 画像診断開発室長
呼吸器専門医

竹本 明子

竹本 明子先生

元 駿河台日本大学病院 放射線科 部長代行
放射線診断専門医
循環器専門医、死亡時画像診断(Ai)

石川 勉

石川 勉先生

獨協医科大学 放射線医学講座 特任教授
元 国立がんセンター中央病院 放射線診断部
放射線診断専門医
日本消化器がん検診学会 指導医/総合認定医

水口 安則

水口 安則先生

前 国立がん研究センター中央病院 放射線診断科
超音波専門医/指導医


中村 順子

中村 順子先生

放射線診断専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
肺がんCT検診認定医
PET核医学認定医

染谷 有美子

染谷 有美子先生

放射線診断専門医
検診マンモグラフィ読影認定医

青柳 泰史

青柳 泰史先生

放射線科専門医
PET核医学認定医
肺がんCT検診認定医

大西 正紘

大西 正紘先生

放射線診断専門医

佐藤 朋宏

佐藤 朋宏先生

放射線診断専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
肺がんCT検診認定医

森山紀之先生 vs 村松幸男先生対談

対談

PROFILE

森山 紀之先生

元 国立がん研究センター がん予防・
検診研究センター長

松村 幸男

村松 幸男先生

あかつきクリニック院長
元 国立がん研究センター がん予防・
検診研究センター 検診部長

これからの遠隔読影を考える。

いま、注目される遠隔読影。その現在と未来について、現在イーメディカル東京 顧問の森山紀之先生と、あかつきクリニック院長の村松幸男先生に話をうかがった。ともに国立がんセンターの最前線で活躍された経験をもつお二人のお話しは、これからの遠隔読影を考える上で意義深いものがあった。

遠隔読影の今、そして課題について

今日はお忙しい中ありがとうございます。まず最初に遠隔診断の現状と必要性についてお話しいただければと思います。

昨今、医師の働き方が多様化し、勤務医や開業医に加えて専門医の資格で個人事業主として働く医師が増加してきております。CTやMRIが全国的に普及していることもあり、放射線診断医のニーズが高まっているからと思われます。昔は医療施設の多くが大学の医局に診断医の派遣を要請していましたが、卒後の研修医制度の改革によって大学病院でも医師を派遣する余裕がなくなっています。このような状況を打破するのが遠隔読影です。イーメディカル東京・あかつきクリニックは専門医の資格で働く医師や、育児や様々な理由で休職中の医師に読影を依頼し、顧客の病院やクリニックや検診施設の画像診断の業務を支援しています。このような背景のなかで我々のみならず遠隔読影医のクオリティーをいかに担保するかが求められています。

以前は、消化器外科ならその科の人が画像を読影していたんです。ですが、一番の問題は自分の専門領域は読めても、他の部分が出てくると分からなくなるということなんです。それで、ある程度画像の広い分野に精通していて、漏れなくちゃんと診断できる人が求められるようになってきた。患者さんも、撮影したからにはちゃんと診断をして欲しいですからね。ところが、多くの病院にはトータルに画像を読める人がなかなかいないんですよ。それじゃあ遠隔読影に頼もうか、と。それで遠隔がパッと広がってきたんだと思います。
もちろん求められるのはクオリティーです。遠隔読影をお願いしたけど見落としはないだろうか? 読影レポートは分かりやすいか? 遠隔を行っているところはたくさんあるけど、やはりクオリティーの高いところが求められるんだと思います。

松村 幸男先生

CT撮影された範囲は、全て見なくちゃいけないということですね。

そうです。全部読める人もいる。逆に非常に特化したところであれば、非常にまれな疾患でも読める人がいる。そうした読影医をキープしているところが優れた読影施設になるわけです。

一般の病院では、頭から下まで全部診ないんですか。

十分に診ないこともあります。例えば肺に小さい結節があって肺の専門医のオーダーで毎年経過でCTを撮っている方がいて。肺から膵臓ぐらいまでは写っているから肺は一生懸命見るわけです。肺の方はほとんど変わりないですよって診断を下しても、肝臓の方で腫瘍が大きくなっている場合もある。けれど専門外だから気がつかないというのは十分にあり得ます。
今ではほとんどの大学病院で各科読影はやめています。たとえば肺の専門の医局では最初は放射線科に読影してもらい、そのレポートを参考にしながら、専門の範囲だけは自分で見るというような利用の仕方をしていますね。

循環器専門病院から循環器の領域は自分たちで読みますから、腹部領域だけ読影して欲しいという依頼もありますね。このような部分読影も増えていますね。

遠隔診断をされる先生はスキルが高くないと対応できないということになりますね。

そうです。相当勉強しなきゃいけない。例えば肺に結節があって経過観察するとしても、次回の経過観察期間が1週間なのか1カ月なのか3カ月なのか、それとも1年なのか書き込めないといけない。観察の期間が書いていないと要経過観察というレポートをもらった方は、いつ経過観察すればよいかわかりません。
例えば右の下腹部が痛いという訴えで撮影し、異変が見えないので異常なし、と答えるだけでは足りないんです。主治医が何を疑っているか察知する能力がなきゃいけない。そもそも最初に右の下腹部が痛いといったらまず虫垂炎を疑います。それから憩室炎も疑いますから虫垂炎、憩室炎はありませんと書く必要があります。女性で右の下腹部だったら、卵巣についても書き込める読影医が求められているんです。

健診、そしてレポートの書き方について

健診の場合はどうでしょうか。

健診の場合は読み落としが致命傷になるんです。それと訴訟の問題もあります。たとえば末期の膵がんを見落としたとしますよね。見落としは見落としだけれど患者さんは発見できたとしても何も治療はできず亡くなってしまうので、実質的な損害という点からはゼロです。ところが、ある程度助かる可能性のある膵がんを見落とした場合だと、その患者さんは治療によりずっと何年も生きられたかもしれないチャンスを奪われてしまうことになる。同じ見落としでも、健診に来た人を見落とすというのは、ダメージとしては非常に大きいんです。健診には重症な人は来ないから簡単だと思われるかも知れませんが、逆なんです。読影には非常にストレスかかります。

CT検査法でいうと、病院だと造影検査が多く、健診の場合は単純CTがメインです。単純CTは造影CTよりもがんを発見するのが難しい。ただ、単純CTでも、間接的な所見を拾えば、がんの発見に繋がることが結構あるんです。そういう間接的な所見を知らないと見落としにつながってしまいます。それに、CTを撮れば必ず鮮明な画像が得られると思われがちですが、痩せた人などは臓器間の区別がつきにくく診断が難しくなります。そういう場合は、読みづらい理由もレポートに記載しておくとよいです。

健診の場合、X線の線量を落としてるんで見づらいんですよ、ノイズが出ちゃって。ですから見て分からない場合は、そのことを書いていますよ。だからって言い訳ばかり書くのは最悪なわけです。そうではなくて、体型的に良好な画像が得られない方なのですが粗大病変はない、というような書き方にしてもらわないとね。

森山 紀之先生

レポートの記載は統一しておく必要があると思いますね。

病名の付け方もそうです。悪性の場合には悪性って付けてしまうのか、悪性疑いと付けるか。あるいは悪性指定できないから精査してくれみたいな、そういうニュアンスも分からないといけない。患者さんからしたら、健診で病院行って画像撮ったら、いきなり「がんですよ」って言われて。それで精査したら何もなかったっていうのはあまりいいことじゃない。そういう、患者さんの受け止め方まで気を配って欲しいと思います。レポートをもらった担当医が、外来で検査した患者さんに説明しやすいように書くのも大事ですね。私はレポートをもらった先生がどういうふうに使ったらよいかまで考えて書いてます。
いま、他の読影の先生方に向けて、こういうレポートの書き方がベストなんだというマニュアルを作っているんですが、すでにバージョン6ぐらいになっています。

森山先生にマニュアルを作っていただきましたが、読影医の皆さん個性があって自分なりの読影法が染みついているんですよ。なのである日突然マニュアルを渡されて、この通りにやってくれといわれても難しいところがあるようですね(笑)。

辺縁から真ん中へ、気づいたところにまず矢印を

先ほどのマニュアルの話なんですが、読み落としをしない読影方法についても書いているんです。たとえば肺の胸部単純と胃のレントゲンは画像の辺縁から読んでいくことが大切だというような。人間、真ん中は必ず見るんです。だから辺縁から真ん中へ、最後にトータルに見るっていう読み方にすれば見落としも防げるし読影時間もそのほうが早い。

CTの読影も同じですね。若い頃、国立がんセンターに在籍していた際に森山先生にCT診断でイエローカードもらったことがあります。(笑)。

うそ? 先生に出したっけ。

「先生は肝臓の左葉の端っこの病変や、右葉最下縁の病変を時々見落とすことがあるよ」って言われました。それを聞いてから、辺縁から真中へ、最後にトータルで見るように意識して読影するようになりました。

いやほんと、うっかり見落とすのは全部端っこなんです。

全体を丁寧に見ているという錯覚なんです。全部を見てるつもりでも、視野中心から離れた領域の診断が甘くなっているということですね。だから辺縁から中心に見るんですね。

CT、MRIなんかは臓器が分かれてるでしょ。だから最初に肝臓になんか異常を見つけたからといって、そこで止まるなよ、ということなんです。僕は先に全部を見て、気がついたところに全部矢印をつけちゃう。1回目に気が付いていても、2回目に落とすっていうパターンもあるんですよ。

後でレポートに書こうと思いながら、忘れることってあるんですよね。

一つのところに固執すると、周りを忘れちゃいがちなんです。診てないわけじゃないんだけど、スーッと流しちゃうことがある。だから、これは書かなきゃっていうところに矢印を全部付けちゃって、それからレポートを書き出す。

他にも、「検査目的の領域は必ず読影するから、そうじゃないところを最初に読影し、検査目的の領域は後から入念に読影しなさい」と教えられました。大事なところから始めると、そこでエネルギーと注意を費やして、後の読影を流してしまう。そうすることが見落としにつながります。

特に外来から依頼が来た場合って「肝腫瘍あり、質的診断をお願いします」なんて依頼書にあると、非常に珍しい肝腫瘍だったらそこで考えが止まっちゃって。他の部分の読影がおろそかになってしまう。
肝臓にあるから後でしっかり診るつもりで、胆、膵、腎、胃、副腎、脾臓。それから消化管や骨盤臓器、それから鼠径ヘルニアの有無を見て、それから肝臓に戻るといった読影手順にしています。そのためにもさっき言ったみたいに矢印が必要なんです。付けておいたほうが疲れない。もちろん頭で覚えていてできる人はそれでいいと思うんですよ。でも僕はそういうやり方をしている。肺については4倍に拡大して、右の前半分をずっと下まで読んでいく。そうすると眼球振らないでしょ。画像が大きいからほんの1ミリぐらいの結節でも気が付く。眼球を振ると残像が見えるんですよ。ゴルフの空振りと同じで、本人は見えてるつもりなんだけど、振るときに体が上がっちゃうから上振っちゃうのと一緒。

視点を左右に振るような読影法はダメですね。

あれって、本人は全部見ているつもりでもそれは残像であり、画面を移動させているときに見えていない部分があります。

肺CT診断では画像めくりが早いと視野中心が狭くなったり、視点を左右に振ることで小さな病変を見落としやすくなったりするということですね。森山先生の様に視点を左右に振らない読影法が大事ですね。

単発的にすごい素晴らしいレポート書いても、見落としてたらしょうがないんです。村松先生とは国立がんセンターで一緒にやってたから画像の端っこを診る癖がついた。でも村松先生はイエローカードだけでしょ? イエローカードがたまってレッドカードになり、それもたまってトラ模様までいったのが何人かいるんですよ(笑)。でもセンターを去るとき、その医師からいっぱいもらったカードは私の財産です、といってくれたのは嬉しかった。
依頼元の施設からクレームや不満が来たとしても、ケチをつけられたと受け止めないで欲しい。むしろ教えてもらって財産になっているわけで。次からの読影に活かせるようにしたほうがいいよね。中にはプライドが高くてむくれるドクターもいると思うけど、それは本人のためにならないんじゃないかな。

ここでも病院の方から再読依頼って結構来るんですよ。ここにこういうのが映ってるんですが、どうでしょうかという感じで。そういうところは丁寧に答えるようにしています。修正レポートですね。

質問がくるというのは信用してくれてるってことですよ。クオリティーが高いから来るんです。それはすごいいい傾向ですよ。

そういう意味で、依頼元と読影医との間に放射線技師が介入してくれるイーメディカル東京の読影精度管理というシステムは助かります。放射線技師と放射線科の医者がでてくる『ラジエーションハウス』ってドラマがあるじゃないですか。診断するのは医者だけだと思ってたのが少しずつ技師の意見を聞くようになっていく話ですけど。

あれなかなか面白いよね。ああいう伝達手段を現実にも活かせたらと思いますね。

読影をサポートする、技師による読影精度管理

イーメディカル東京が採用している読影精度管理は非常にいいことだと思います。依頼情報と検査画像の突き合わせとか、確定レポートの確認だとか、読影結果への問合せがあったことを読影医につたえて追記要請するとか、技師さんがいろいろしてくれています。
大腸CTによるCTCなんかも技師サイドの力がないとどうしようもないんですよ。画像を医者が読めるように画像を加工してもらわないと、読むほうも非常に手間がかかるし、分かりづらいんです。そういう面で、技師サイドに協力してもらえるのは読影する方からしたらとてもありがたいです。

依頼元の医師とイーメディカル東京・あかつきクリニックの読影医との間に放射線技師が介入し、読影精度管理が行われています。実は医者と医者との間の情報交換は意外と大変で、依頼元の医師に依頼内容を確認するタイミングに苦慮することが多々あります。そこを放射線技師に介入していただいて依頼先の放射線技師や検査担当医に依頼内容を確認してもらっています。また、必要な臨床情報や過去画像の転送も行っていただいています。

もともと放射線技師として入ったけれど、この人は精度管理に向いているな、っていう人に精度管理をやってもらっていることもあります。精度管理担当の方たちがグループをつくり、読影医が書いたレポートをチェックしていく。まず右と左を間違えてないかとか、勘違いすることがあるから、そういうものの確認だとか、健診にもかかわらず返事がB or Cになっていないかなどを全部チェックする。それでチェックの済んだものが私のところに全部回ってる。こういう管理をしているところは、そんなにあるわけじゃない。事務的な作業ではあるけれど、医療の現場にいた技師サイドの人は、こういうことが起こる可能性がある、っていうことを知っていますからね。

森山 紀之先生

イーメディカル東京・あかつきクリニックでは常勤の診療放射線技師3名と、応援の技師で日々のレポートや画像をチェックしています。イーメディカル東京の遠隔診断の特長のひとつでもあります。

上手く技師さんに活躍してもらってるけど、遠隔読影を利用していない病院なんかでも、本来なら技師さんがもっと活躍した方がいいんですよ。国立がん研究センターでは、検査における読影技師というものをつくりたいという動きもあるようです。
胃のレントゲンを毎日撮ってるのは技師さんなんだからいろいろ気が付くでしょう。逆に医者の方はCTやMRIが主体になっているので胃のレントゲンをちゃんと読める人が減っていて、医者がどこまで読めるか分からない。技師さんは朝から晩まで撮ってるわけだから、それなりのチェックする力はあるんですよ。撮影時に技師さんが何か気づいたら、モニター上に矢印を付けてくれればいい。そういうことが将来インセンティブになって、技師サイドの意欲も高まっていくと思うんですよ。

それやってもらうと非常にありがたいですよ、本当に。

昨今の例だと、健診なんかで終わった後にコロナだった、なんていうことが分かったらえらいことになるでしょう。病院閉鎖になっちゃう。だから最初にCT撮って、技師さんがチェックすれば肺炎っぽいのがあるなと分かるわけです。医者を呼んで、これはコロナの可能性あるから、PCR検査やろうという形で動いていけばリスクを回避できる可能性がある。これからは、そういうふうにだんだん変わってくると思いますね。

松村 幸男先生

技師さんの力を借りるのは重要ですね。

遠隔読影の営業活動するときには技師さんにも入ってもらって、相手先の技師さんと話をしてもらうのもありだと思うんです。自前で読影しているけど全部読める人がいないような病院の技師さんに、うちはしっかりしたレポートを書いて返しますよ、って説明すれば、医療機関のほうも嬉しいと思うんです。遠隔読影を頼んだことがないという病院もわりと多いので、そこまでしてくれるのかと分かってもらえると思いますよ。

うちでは大腸CTの遠隔読影を勧めてきたときに、放射線技師が、依頼施設に出向いて技術指導や導入サポートを行っています。具体的には検査手技や大腸の前処置法を直に依頼先の放射線技師さんに指導しています。画像処理やレポートの一次チェックに関しては我々の施設の専任の放射線技師が行い、医師が最終的なレポートを作成して依頼施設のニーズに答えています。

そうだね。CTCは特殊だから。でも経験のないところだと、導入サポートに行っても読むの大変だからなんて言われたりする。もっと良くないのは、常勤の医者が、自分が読まされるんじゃないかと思って反対したりするわけよ。自分が読んだことないから。

まれに依頼施設の教育を受けた医師が読影するようになることもあります。それはそれで全然いいんですけど。均てん化に役に立ったわけですね。

ただそういうのをビジネス的に考えて、うちは大腸検査は大腸内視鏡でやってるので、CTCになるとそういう検査が少なくなるから困る、って考える人もいるんだけど、それは大きな間違いです。現在問題になっているのは大腸内視鏡の検査には数の上では限界がありますのでCTCが普及することのほうがはるかに大きいんですよ。

遠隔読影はまだまだ増える

遠隔診断の需要はまだまだ増えるんでしょうか。

これはめちゃくちゃ需要がある。むかし知り合いの医院が読影で困ってるっていうから相談に乗ってあげたんですね。そしたら自分ところのCTで撮ったフィルムを宅配便で送ってきて大変だった(笑)。それが今は遠隔読影になって。自信がないから診てくれ、この診断でいいのか、画像に写っているこれこれは何でしょう? なんていう相談がかなりの数になってますよ。

うちの依頼の中にも、向こうで付けた診断が書かれたCT画像が来ることがあります。こういうのが見えてるんですけれど、といった内容で。

そういうのは、自由に書いてもらって結構なんです。自分である程度読めるようになってもらうのは悪いことではない。ただし、画像の貼り付けと矢印を付けるぐらいはして欲しい。矢印があればそれだけ診れば済むんですが、「腎臓に腫瘍があってああでもないこうでもない」とか文章だけで書いてあることがあるんです。こういうのも写真を貼り付けておいてくれれば、パッと診て、これ血管筋脂肪腫とかって、簡単に書けます。だけど貼ってないと結局、全部診てかないといけないし時間もかかるんです。

矢印も分かりやすいように付けるっていうことですよね。

矢印が細かったり、分かりづらい色のは困りますね。私は、矢印の色も変えてもらってます。

矢印があれば、依頼医に病変の存在が分かりやすい。また、患者さんに説明するとき、役立ちますね。

AI技術を遠隔読影にどう活かすか

AIについてはどうでしょう。

どんどん入れるべきだと思ってます。最新の超高分解能CTは小さいのが分かるんだけど、僕はああいうのはAIに認識させて、次のときにそれがどうなったかもAIで判断していくっていう形にした方がいいと思いますよ。医者があんな細かいのをずっと、千枚近く読んでたら頭おかしくなっちゃうよね(笑)。
胸部単純なんかはあったほうが絶対いいと思う。仮に1日50読める人が、AI入ったら70読めるってことはあります。肺のCTと、それから胸部の単純にはAIが入った方が良いと思います。

肺の結節はチェックしてくれるんですか。ここでは経験がないんですけれど、CTにおけるAIの肺結節の認識はどうですか?

してくる。AIがチェックした部分が画像上でぽんぽって赤くなったり矢印が付きます。

そのほうが楽ですよね。

性能はまだまだというか、擬陽性が多いから使いたくないという人もいるようですが、それはチェックしてくれてるんだから見て無視していけばいい。あくまでも見落としをなくすためとか、思いもよらない縦隔の病変も、チェックしてくるんだよね。今後AIの能力も向上することも考えられます。

要は使い方ですよね。AIの現状は擬陽性が多い難点がありますが、見落としを防ぐ意味合いからはとても役立ちます。今後はAI機器やソフトの精度向上と病変に対するAIの学習が蓄積されれば、更なる診断性能の向上が期待され、遠隔読影に必須なアイテムとなると考えています。

確かにその通りですね。

イーメディカル東京では、今後もお客様についてはいろいろと小さなところにも目を向けていき、AIなどを活用してもっと読影数を増やしていきたいと考えています。もちろん先生方の負担も少なくしながら、より精度の高い読影サービスを心がけ、さらに将来に向けて成長していきたいと思っています。
両先生、今日はどうもありがとうございました。

松村 幸男先生 & 森山 紀之先生